24日に開幕する東京パラリンピックに向け、聖火の種火をつける「採火」と、県内14カ所でおこした火を一つに集め、東京へ送り出す「集火・出立式」が14日、沖縄県内で行われた。
「採火」の最終日となった14日は石垣市、沖縄市、宮古島市、八重瀬町で行われた。
石垣市では、市中央運動公園陸上競技場で太陽光による採火式が開かれた。市身体障がい者団体協議会会長の石垣里八さん(71)=同市=が虫眼鏡のレンズで石垣の強い日差しを集め、たき火台の上の麻糸に聖火をともした。石垣会長は「火がついた時は感動した。選手たちと交流ができればうれしい」と笑顔で話していた。
八重瀬町長毛の港川遺跡公園では港川人の人骨が発見された港川フィッシャー遺跡の前で採火した。港川人に扮(ふん)した町職員2人が火をおこし、町障害者自立支援協議会副会長の山川朝教(とものり)さん(52)=同町=らが持つトーチに火をともした。山川さんは「採火に携われてとてもうれしい。パラリンピックにはすべての人が分け隔てなく生活できるという意義が込められている」と力強く語った。
「集火・出立式」は同日夕、那覇市の奥武山公園コミュニティセンターで開かれた。14市町で行われた採火の模様を映像で流した後、車いすで県内のトライアスロン競技に参加している赤嶺政則さん(58)=豊見城市=ら3人が琉球ガラスでできた「集火皿」に火を集め、トーチにともして東京へと送り出した。赤嶺さんは「各地域の思いの詰まった採火を付けた時は感極まった」と述べ、「パラリンピックに出場する県出身の上与那原寛和選手と喜納翼選手を県民挙げて応援しよう」と呼び掛けた。