【東京】太平洋戦争が終結して76年となる15日の終戦記念日を前に、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表が14日、政府主催の全国戦没者追悼式が開かれる日本武道館前(東京都千代田区)でハンガーストライキを始めた。15日まで戦没者遺族らに、名護市辺野古の新基地建設をめぐる政府による本島南部地域の土砂使用計画の中止を訴える。
「終戦の日」式典合わせ
具志堅代表は降りしきる雨の中で、沖縄戦の激戦地となった本島南部の土砂に多くの戦没者遺骨が残されている点を踏まえ「国家のために犠牲となった戦没者の遺骨が混じる土砂を基地建設に使うのは、人道上の問題だ」と強調した。
15日夜まで、水とお茶だけで過ごすハンストを実施。計画中止を求めるビラを配布するなどして、式典に出席する戦没者遺族らに賛同を呼び掛ける。
新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、一時は中止も検討した。しかし、「日本全国の方が先の大戦について考える8月15日に合わせて問題を訴えるべきだ」と思い直し、規模を縮小し、一人での上京を決意した。現場では、マスク着用の徹底、声掛けの自粛など、現地の協力者と感染予防の対策を取りながら、無言の呼び掛けを続けた。
ハンストに合わせて配布するビラには、計画中止の呼び掛けへの賛同を求める署名欄も設けた。
具志堅代表と、活動に賛同する宗教者団体はすでに県に3万2800筆、政府に2万4400筆の署名を提出。これまでに、さらに約1万筆分を集めており、今回のハンストで集まった署名と共に9月にも政府に提出する予定だ。具志堅代表は、「1人でも多くの方に声を上げてほしい」と協力を呼び掛けた。