焼失した首里城正殿の扁額 21年度内に設計完了、24年度完成目指す


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
再建が進められる首里城=2020年10月30日、那覇市の首里城公園(小型無人機で撮影)

 沖縄県は13日、首里城復元に向けた扁額(へんがく)製作検討委員会(委員長・高良倉吉琉球大名誉教授)の第1回会合を那覇市内で開催した。火災で焼失した正殿の2階に掲げてあった扁額3枚について、本年度に設計を完了させ、2022年度から製作に着手する工程を確認した。24年の完成を目指す。

 正殿扁額は、中国皇帝から贈られた御書を板に写して額縁に仕立てたもの。県に寄せられた首里城復興基金を活用し、復元することが決まっている。

 検討委員会では復元作業に当たり、琉球国王尚家関係資料や、琉球または中国の扁額事例など新たな知見を活用し、各ワーキンググループなどで検討しながら設計や作業方針を固めていくことを確認した。また、扁額の製作と正殿御差床の装飾は職人が重複する可能性があるため、正殿御差床の装飾工事までに扁額を完成させる方向で調整に入った。