沖縄県内の建築単価 10年連続で上昇 20年度、東商調べ


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 東京商工リサーチ沖縄支店は12日、2020年度の県内建築単価を発表した。全用途の建築単価(1平方メートル当たり)は、前年度比7.8%増の27万700円となり、10年連続で増加した。住宅、産業用建築物のいずれも過去最高額を更新した。建築棟数は減少したものの、資材の高騰や人件費の高止まりによって、建築単価の上昇傾向は続くとみられる。

 用途別の建築単価は、居住専用住宅が同4.2%増の21万8300円で、8年連続で増加した。事務所や店舗、工場などの産業用建築物は同5.3%増の32万3700円で、2年連続の上昇となった。

 一方で、建築棟数は同10.9%減の5265棟とブレーキがかかり、特に住宅は同11.8%減の3960棟だった。コロナ禍に伴う経済の打撃で所得が低下していることに加え、コロナ以前から続く地価の高止まりや、アパートなど不動産投資案件に対する金融機関の融資厳格化などが重なったと考えられる。

 産業用建築物は同4.5%減の1202棟だった。コロナ禍で観光需要が急激に減少したことを受け、宿泊業・飲食サービス業用が同37.3%減の262棟と大幅に落ち込んだ。

 同支店の担当者は「資材価格は足元では極端な値上がりを続けている。人件費も一度上がると下がりづらい。建築棟数は減少しているが、単価の上昇傾向は続くだろう」と話した。

 建築単価は、国交省の統計を基に、人件費や資材費などの工事費予定額を床面積合計で割って算出した。