普天間飛行場所属の輸送機MV22オスプレイから落下した部品について、在沖米海兵隊が日本政府に落下物の寸法に関する正確な情報を伝えたのは事故から約1週間たった18日だった。事故発生の通報遅れが問題となっている中、情報も不正確だったことが判明し、県幹部は「ずさんだ」などと批判した。
謝花喜一郎副知事は19日、外務省沖縄担当大使と沖縄防衛局長に対して通報遅れに遺憾の意を示し「1分1秒でも速く情報が入り、行政として対応するのが重要だ」と強調した。日米で定めた通報ルートに対し、米軍が誤った解釈をしている恐れがあるとも指摘し、改善を求めた。
宜野湾市によると、海兵隊太平洋基地政務外交部長のニール・オーウェンズ大佐は通報が遅れたことに「正確な情報をつかめないまま発表・報告をすると、不安が高まってしまう」との見解を示していた。だが、情報の正確さを理由に通報遅れを正当化していたにもかかわらず、報告内容も不正確だった。県には18日に防衛局から情報が入ったが、当初の報告から数字がかけ離れており、取り扱いに頭を悩ませていた。
海兵隊の広報担当者は本紙の取材に「点検で問題を見つけた場合、操縦士らは数時間以内に本部への報告が義務づけられている。今回の点検は深夜に行われ、(正確ではない)推定のサイズを報告していた」と説明した。
米軍は「事故機固有の問題」と説明し事故の翌日から飛行訓練を実施している。落とした部品の寸法さえ正確に把握しないまま飛行を続けていたことになる。
県関係者は「一つ落ちただけでも大変なのに(落下した部品が)離れた2カ所とはどういうことなのか。1カ所はプロペラ付近で、墜落につながる可能性もあった」と危機感を示し、原因究明を求めた。
(明真南斗)