東京パラリンピックの車いすマラソン女子T54代表で、うるま市出身の喜納翼(コザ高―沖縄国際大出、タイヤランド沖縄)が19日、同市役所に中村正人市長を訪ね、出場を報告した。パラ最終日となる9月5日の本番まで約2週間となった。喜納は「全力で、できることを頑張りたい。うるま市、沖縄、日本の代表として恥じない走りをしたい」と決意を語った。
市立南原小の児童らが製作した応援動画が流され、1人1人のメッセージを記した横断幕なども贈られた。児童会長で6年の井上俐翔さん(12)は「みんなの応援を届けに来ました。喜納さん、パラリンピック頑張ってください」と、はきはきとした声であいさつした。
喜納は涙を拭いながら「笑って過ごす日々ばかりではなかった。子どもたちの応援が励みになり、すごく勇気をもらった」と感謝した。約250人の会員がいる後援会からは支援金の目録が贈呈された。後援会長の中村市長は「目標に向かって頑張ってほしい。市を挙げて応援したい」と激励した。
本番に向けて「体調を崩さず、一つ一つの走りをチェックしていきたい」という喜納。県内は緊急事態宣言下で閉鎖中の競技場も多い中、「競技場が閉まっている時は室内トレーニングに切り替えたり、ロードで練習を重ねたりしている」と、最終調整が順調に進んでいることをうかがわせた。
東京五輪では、沖縄国際大の同級生である喜友名諒(劉衛流龍鳳会)が空手男子形で県勢初の金メダルを取り「絶対王者と言われている中で、あれだけの演武ができるのは並大抵のことじゃない。すごく勇気をもらった」という。「持てる力をしっかり発揮したい。そこに結果が付いてくればうれしい」と笑顔を見せた。