アジア11カ国80人が空手セミナーを受講 オンラインで「普及型Ⅰ」を練習


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沖縄空手会館の画像(左)を示して説明する沖縄空手案内センターの上原邦男所長(右写真の右側)ら=10日

 外務省が主催するアジア地域の青少年交流事業「JENESYS(ジェネシス)」は10日、対日理解促進交流プログラムの一環でオンライン空手体験セミナーを実施した。ASEAN加盟国と東ティモールの計11カ国から大学生・大学院生約80人が参加し、空手の指導を受けるなど、沖縄の歴史、文化について学んだ。

 セミナー前半は沖縄の歴史や文化についての講義があり、沖縄空手案内センターの上原邦男所長が説明した。沖縄戦を経て、現在の沖縄に復興できたのは「空手や琉球舞踊など、人々の心を支える文化があったからだ。今でも伝統文化として県民に受け継がれている」と受講生らに語った。

 伝統空手についての説明では「競技空手も最終的には伝統空手に行き着く。己と対面し、技を磨くことが健康長寿にもつながる」と魅力をアピールした。

 受講生からは「空手は学校で教わるのか」「オリンピックで金メダルを取った選手は、沖縄空手の関係者か」などといった質問が寄せられた。上原所長は「喜友名諒選手は沖縄の出身。沖縄の空手が世界から注目を集めたのはうれしい」と答えた。

オンラインで画面越しに小林流究道館泉崎道場の比嘉康雄館長(左)から指導を受ける受講生ら

 後半、小林流究道館泉崎道場の比嘉康雄館長(47)による空手体験教室が行われた。画面越しで指導し、中にはテコンドーの道着を着た受講生もいたが、初めての体験に笑顔があふれた。

 受講生らは突き、蹴り、受けの基本の動きの指導を受けた後、「普及型1」を習った。普及型1について比嘉館長は「2016年に一斉演舞でギネスに登録された型。老若男女、誰もが学んでいる」と説明した。受講生らは見よう見まねで動作を練習した。

 同事業の運営関係者は「体を動かしながら空手に触れることができ、受講生らの表情が生き生きしていた」と語った。