【恩納】沖縄科学技術大学院大学(OIST)と恩納村によるオンラインの「こども科学教室」が16~21日、開催された。18日は「サメ」をテーマに村内の小学3、4年生約20人がカメラを通してサメの標本を観察し、その生態や、海の汚染などで数が激減している現状を学んだ。
同校のズィアディ・ファビエン博士が講師を務めた。沖縄で新たに見つかったアブラツノザメの仲間の標本などを示して、体の部位の名称や役割を説明した。
ファビエン博士は、世界のサメ約500種類中、約100種類が沖縄周辺で見つかっており、サメが病気の魚などを食べることで食物連鎖が保たれ海の環境が守られていると説明した。
また、人がサメに噛まれる被害は世界で年間約10件にとどまる一方で、食用の捕穫やプラスチックごみににより、50年間で70%もサメの数が減り、4分の1の種が絶滅に瀕していることを紹介した。そして「サメは怖い生き物ではなく、海の環境を保つ大切な存在。ごみを減らすなどサメを守る努力を通して、沖縄の海を守ろう」と呼び掛けた。
参加した前田伊吹さん=恩納小4年=は「人間がサメを捕まえる数の方が多いと知って、サメを守ろうと思った」と話した。