辺野古抗告訴訟 控訴審 きょう初弁論


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福岡高裁那覇支部

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、県による埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の裁決は違法だとして、県が裁決取り消しを求めた抗告訴訟の控訴審第1回口頭弁論が26日、福岡高裁那覇支部で開かれる。昨年11月の那覇地裁判決は、県の訴えは裁判所の審理対象に当たらないとして却下。県に原告としての適格もないとした。裁決が適法だったかどうかは示されず、控訴審ではどこまで踏み込んだ審理がなされるかが注目される。

 2018年8月、県は辺野古沖の埋め立て承認を撤回。沖縄防衛局は行政不服審査制度を利用して国交相に審査請求などを行い、国交相は19年4月に県の承認撤回を取り消す裁決を下した。承認撤回の効力を復活させようと、県は国交相裁決の取り消しを求める訴訟を起こした。

 抗告訴訟で県は、本来は国民を救済するための行政不服審査制度を国の機関である防衛局が使ったことや、同じ内閣の一員である国交相がその申し立てを認めたことなどを挙げ、裁決の違法性を訴えた。一方の国は、県の訴えが裁判の対象にならないとして却下するよう求めた。