「子や家族守れない」 コロナ下で学校再開に保護者、教員から不安の声


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 新型コロナウイルスの感染が広がる中で、学校の再開や休校延長を巡る動きに、保護者や教員から不安や戸惑いの声が上がっている。

 25日、夏休み明けの30日から9月5日まで小中学校の臨時休校が決まった那覇市に住む40代の女性は、基礎疾患のある母親と暮らしているため、小学生の娘の休校に安堵(あんど)した。「いくら家庭内で気を付けていても、感染対策に限界がある学校で子どもが感染したらどうしようもない。専門家が子どもへの感染拡大を認めているのに、一斉休校を呼び掛けない県に疑問がある」と話した。本島南部の小学校に勤める男性教員(35)は「那覇市をきっかけに、行政は臨時休校を決めてほしい。ここまで感染が広がっている中で、子どもたちを守れる自信がない」と訴えた。

 10代や10歳未満の新型コロナウイルス感染者が急増している中、県内のいくつかの学校は、すでに2学期を開始している。感染者が出た場合に唾液検体の採取業務も担う教員は「教員のワクチン接種を早めてほしい」などと訴え、保護者はオンライン授業の早期整備を求めた。

 「夏休み前、すでに限界を迎えていた。できる限りの感染対策をしても感染者が複数出た」。沖縄本島中部の小学校に勤める30代女性教諭は、学校再開が感染者拡大の引き金にならないかと懸念し、「不安しかない」と漏らした。

 マスク着用による熱中症の懸念もある。教室は換気のために窓を開けているが、思うほど風通しはよくない。さらに日差しも強く差し込み、時間帯によっては室内の気温が上がり、子どもたちはマスクを取りたがるという。

 夏休み前には校内で感染者が複数出て、学校PCR検査事業による唾液検体採取業務が発生した。「保健所が逼迫(ひっぱく)していて、教員が検体を採取することは仕方がないと思う。ただ、県は感染防止策として教員のワクチン接種を進めるべきだと思う」と指摘した。

 小学生の子がいる糸満市の女性(43)=自営業=は「学校再開前に子どもたちのPCR検査をしてほしい。小学校も分散登校させるなど、安全対策を取ってから再開すべきだ」と訴えた。感染への不安をぬぐえず、自主休校を決めた。「国や県は学びの機会の保障を主張しているが、オンライン授業の取り組みは学校によって整備が遅れているところがある。学習環境に差が生じている」と指摘した。
 (嘉数陽)