幼稚園から切磋琢磨してきた3人 珠算で県勢初の全国入賞 宮古総実高校


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県勢初の団体入賞を果たした宮古総合実業高校珠算部の(左から)久貝香莉奈さん、大里亜希子さん、平良林華さんと顧問の下地康隆教諭=26日午前、宮古総合実業高校

 【宮古島】宮古総合実業高校(宮古島市平良)の珠算部、平良林華さん(16)と大里亜希子さん(17)、久貝香莉奈さん(17)の2年生3人がこのほど、2021年度全国高等学校ビジネス計算競技大会の珠算競技で県勢で初の入賞を果たした。出場45校の中9位を勝ち取った。大里さんは個人総合でも県勢で14年ぶりに佳良賞を受賞した。26日、表彰状が3人に届けられ、そろって笑顔で喜んだ。

 全国大会の4日前に開かれた九州大会では団体入賞はならなかったものの、個人種目で上位に入り県代表の座を手にした。九州大会では、平良さんが5~9桁の数字を20回足していく読上暗算部門で優勝にあと一歩の2等に、大里さんは同部門3等、久貝さんは優秀賞を受賞した。大里さんは個人総合でも優秀賞になり、同部門入賞は宮古総実高創立以来初めて。

 3人とも幼稚園から市内の同じそろばん塾に通い、「そろばんで全国制覇」を合言葉に切磋琢磨(せっさたくま)してきた。平良さんは珠算7段に暗算9段、大里さんはともに10段、久貝さんはともに9段とそろって高段位を持つ。

 珠算部顧問の下地康隆教諭は「3人は入学したときから力を持っていた。昨年度の大会はコロナで軒並み中止となってモチベーションが下がったと思うが、日々の努力が結果につながった」と喜んだ。

 九州大会では逃した団体入賞を全国で成し遂げた秘策は「台風6号」と3人そろって笑う。全国大会と九州大会は7月にコロナの影響で分散開催され、3人は那覇市の会場で競技に臨んだ。19日の九州大会から宮古島に帰島した翌日には台風が近づいてきていたため、すぐに那覇へ飛んだ。全国大会開催日(23日)の3日前に那覇のホテルで缶詰め状態となり「ひたすら練習した」という。

 努力がもたらした県勢初の快挙も3人は「緊張せずいつも通りの力を発揮した結果」と冷静に自己分析した。次年度こそ「全国制覇したい」と力強く声をそろえた。