部活高2自殺 沖縄県が再調査へ 知事部局に第三者調査委員会


社会
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高2自殺問題で県庁部局への第三者委員会設置が決まった

 部活動の顧問から執拗(しつよう)な叱責(しっせき)を受け、1月に沖縄県立高校2年(当時)の運動部男子生徒が自ら命を絶った問題で、玉城デニー知事は27日、遺族らが求めていた再調査に当たる第三者調査委員会を、県総務部総務私学課に設置すると発表した。再調査を求めてきた遺族は「一歩前進した。再発防止のために必要な情報をしっかり拾い上げるような、丁寧な調査を期待している」と話した。

 同課によると、委員は弁護士や教育関係者、児童心理学関係者ら7人以内で構成する予定。9月中旬までに選定を終えて、同月下旬に1回目の委員会開催を目指す。調査期間や調査方法は委員の議論を経て決定する。同課担当者は「中立公平に独立した調査を進め、必要に応じて部活指導の在り方指針に関する検討委や県教委と連携する。早めに提言を教育行政に反映させる必要がある」と話した。

 玉城知事は同日の定例会見で「このような事案を二度と繰り返さないために、ご遺族の要望や県議会における決議などを踏まえ、委員会を設置する。教委から出された報告書と、この第三者委員会から上がってくる報告書も含めて、今後の対応について参考にしたい」と話した。

 これまで県教育委員会は、学校への聞き取りや第三者からなる調査チームを設置して調査結果を公表したが、調査期間の短さや調査対象者の選定などに遺族らは納得せず、県教委から独立した第三者調査機関による再調査を求めていた。