部活高2自殺で第三者委 母「息子の思い丁寧にすくい上げて」


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沖縄県庁(資料写真)

 沖縄県立高校2年の男子生徒が自ら命を絶った問題で、遺族らが求めていた第三者調査委員会の設置が27日、決まった。県から連絡を受けた男子生徒の母親は、墓前で手を合わせて息子に報告した。「私たちが計り知れない、つらい思いをさせてごめんね。今度こそきっと、あなたの思いをすくい上げるような調査になるよ」と祈り、再発防止に向けた再調査に期待を寄せた。

 母親は7月15日、県議会文教厚生委員会に参考人として出席し、県教委から独立した第三者機関による再調査を、涙を流しながら求めた。それから約1カ月半が過ぎた。東京五輪で活躍する選手の姿をテレビで見て、改めて部活に必死に取り組んでいた息子を思った。「息子が何をどう感じて、何に苦しんだのか。声にならなかった息子の思いを丁寧にすくい上げてほしい。それがきっと再発防止につながるはずだ」と声を詰まらせながら訴えた。

 再調査を求めて県議会に陳情を出していた県立保護者有志の代表、鈴木友一郎さんは「亡くなった男子生徒だけの問題ではない。なぜこんなことが起こったのか、その背景を丁寧に調査検証し、責任の所在も明確にしなければ再発防止にはならない」と話した。