モバイルプリンス
沖縄県内在住とみられる男性YouTuberが猫を虐待する動画をYouTubeやTwitterにアップし、批判が集まっています。
警察に通報した方もいて、動物愛護団体も動いています。
動画には沖縄の風景がたくさん映っており「身近に動物虐待する人がいるのか」と怖くなりました。
過激な言動で批判されるYouTuberは後を絶ちません。2018年にはアメリカの人気YouTuberが富士の樹海で自殺した遺体を撮影・公開し、批判されました【※1】。
※1 アメリカの人気YouTuberへの批判 … 2018年1月に当連載にて解説しています。
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今月、メンタリストを名乗るDaiGo氏がYouTube配信内で、ホームレス状態にある人たちについて「自分にとって必要のない命は僕にとって軽い、ホームレスの命はどうでもいい」などと発言し批判が殺到しました。
YouTubeやライブ配信は、テレビ番組などと違い少人数で作って視聴者に届けることができます。
手軽で誰でも発信できる一方、さまざまな人のチェックが入らず過激になりがちです。
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狭い部屋の中で音が反響する様子になぞらえ、ネットの狭いコミュニティーで言動が過激化する様子を「エコーチェンバー現象」【※2】と呼びます。
似た考えの人たちで集まり同じ意見を出していると、それが当たり前のように感じ、だんだん激しくなる様子です。
フェイクニュースや陰謀論、過激な差別主義者も問題になっていますが、その根っこにもこの現象があります。
過激な動画の問題点を考え、時に批判すると同時に「自分が発信する時に過激にならないようにするにはどうすればいいか」と考えることも大事です。
※2 エコーチェンバー現象 … SNSでは、自分と共通の趣味を持つ人、似た考え、同じような属性(性別や年代、職業など)の人をフォローして交流しがちです。例えば、ゲーム好きの人だけをフォローすると、人気ゲーム機の発売日にはゲーム機の購入報告の投稿が大量に出てきます。それを見て「みんな買っている」と思ってしまいますが、実際ゲーム機を買っている人は全ての人口の中ではわずかだったりします。こうして、実態と感覚がかけ離れていき、だんだんと過激になっていくのです。
【プロフィル】
モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。