クジラが漂着!珍種タイヘイヨウアカボウモドキ<北谷の海辺散歩・生物調査から>4


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打ち上げられたタイヘイヨウアカボウモドキ。体調5メートルと巨大なので複数の写真を合成すると全身が確認できる=8月6日、北谷町の宮城海岸(北谷町教育委員会提供)

 「藤さん、ビックニュース! 北谷の海岸にクジラが漂着したよ!」。8月初旬の朝、上司から電話が鳴り現場に急行しました。

 以前から、クジラの骨格標本を博物館の展示に活用したい思いがあり、何年間もアンテナを張っていたため、非常にうれしい一報となりました。

 現場に到着すると、今まで見たことのないクジラが打ち上がっており、種名が分からないためクジラの専門家が到着するのを待ちました。体長約5メートルのタイヘイヨウアカボウモドキという非常に珍しく謎が多いクジラの一種でした。

 世界でまだ約20例しか漂着例がなく、専門書にも詳しい情報が載っていない大変貴重なこのクジラは、今後全国の専門家により多様な研究がなされる予定です。どのような形で皆さんに展示公開できるか、さまざまな方々と連携し、ご助言をいただきながら進めていきたいと思います。
(北谷町教育委員会学芸員 藤彰矩)