学力テスト、沖縄は中学で全国平均との差を縮める コロナ下のICT活用に課題


この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬
イメージ写真

 文部科学省は8月31日、全国の小6と中3が5月27日に受けた全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。県内の中学生は国語と数学のどちらも全国最下位だったが、両科目とも全国との差を縮めた。小学生の国語は前回同様に全国平均を上回ったが、僅差だった。算数は平均点を伸ばしたが、全国平均を下回った。2021年度の全国学力テストは新型コロナの影響を受け、調査日を1カ月遅らせた。20年度は中止だったため、2年ぶりの実施だった。

 調査では、普段の生活や学習意欲などを聞くアンケートも実施した。アンケートからは、沖縄は新型コロナの影響で臨時休校や短縮授業などを実施した学校が多く、休校中の情報通信技術(ICT)の活用に課題が多かったことが明らかになった。就学援助を受けている児童生徒数も全国平均より多く、コロナ禍での家庭学習環境の差が結果に影響していることが考えられる。

 県内中学生の国語の平均正答率は60%で、全国平均の64・6%を4・6ポイント下回った。数学は52%で、全国平均57・2%を5・2ポイント下回った。ただ19年度の前回調査では、国語が4・8ポイント差、数学が6・8ポイント差で、全国平均との差を縮めた。

 県内小学生の国語の平均正答率は65%で、全国平均の64・7%を0・3ポイント上回った。算数は69%で、全国平均の70・2%を1・2ポイント下回った。19年度調査では国語が4・2ポイント差、算数が1・4ポイント差で、両科目とも全国平均より上回っていた。

 今回のアンケートでは、新型コロナの影響による学校の臨時休校の期間や影響、その間のICT活用状況、子どもたちの生活リズム、家庭学習の状況などを調査した。

 調査は5月27日に実施された。前日、県内では過去最多の302人のコロナ感染者が確認され、人口10万人当たりの新規感染者数は国内最悪だった。緊急事態宣言下で、県は学校行事の延期・縮小などを求めていた。子どもへの感染拡大により、数日後には学校PCR検査事業が始まった。