どこからでも受講可能!自動車学校にオンライン学科教習 糸満自練が沖縄初 


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一対一で話しかけるように、教習内容を収録する稲福丈彦学科主任(手前)=8月26日、糸満市糸満の糸満自動車学校

 【糸満】新型コロナウイルス感染拡大防止のため、糸満自動車学校(玉城祐代表)は県内で初めて、1日からオンラインで学科教習を始める。ネット環境とインカメラの付きのスマホやパソコンでどこからでも受講できるほか、キャンセル待ちの多い技術講習に充てる講師が増え、教習生の負担解消にもつながる。玉城代表は「コロナ禍が収束しても、自分のタイミングで受講できるのはメリットだ」と話した。現在、申し込みを受け付けている。

 オンラインの学科教習には、南福岡自動車学校などが開発したシステム「ドン!ドラ!オンライン」を使用する。ログインには教習生番号や顔認証が必要となり、同校の教習生だけが受講できる。

 受講したい教程を選ぶと、1コマ当たり約50分の録画映像が再生される。個性豊かなキャラクターによるテンポの良い授業を、糸満自動車学校の人気講師陣がさらに分かりやすく解説する。授業の終わりにチャットで質問を受け付け後日、講師が回答する。

 集中して受講してもらうため、動画の早送りや巻き戻し、一時停止はできない。動画再生中も複数回の顔認証に加え、システム上で授業態度がランダムに写真撮影される。授業態度が悪ければ、再受講となる。

 糸満自動車学校では1月から、対面教習でも「ドン!ドラ!」の映像教材を導入。東筋秀哲管理者によると、以前は居眠りする教習生も多かったが、今は「面白おかしく」学べるという。

 映像教材の導入で仮免許の学科試験合格率は83・3%と、導入前より16・3ポイント高くなり、効果はてきめんだ。

 オンライン講師の稲福丈彦学科主任は、「相手の表情が読み取れない難しさはあるが、視覚にも訴え、分かりやすくなるよう工夫している。気軽に質問してほしい」と話した。

 同校はオンライン受講を希望しない教習生に対しては、従来通り対面でも学科教習を実施する。

 昨年12月、警察庁は感染拡大防止や教習所が被災した場合も教習を続けられるよう、指定教習所でのオンライン学科教習の実施を認めた。

 (比嘉璃子)