「ニュース女子」判決に関係者評価 「偏見や差別に屈せず」


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 「ニュース女子」の番組を巡り、東京地裁が辛淑玉さんに対する名誉毀損(きそん)を認めたことについて、沖縄弁護士会所属で、人種差別やヘイトスピーチの解消に取り組む白充(ペクチュン)弁護士は「550万円もの慰謝料や謝罪文掲載を認めている。踏み込んだ判決だ」と評価した。判決の背景について「インターネットで中傷しては、駄目だという認識が社会で広がり、判決につながった」とみる。

 一方で「誹謗(ひぼう)中傷は駄目だというところに焦点が当てられ、人種差別が駄目だというところまで踏み込めていない」と懸念も示した。判決が与える社会的影響については「ネット上の誹謗中傷はいけないという認識が広がる半面、人種差別を抑止するまでには至らないのではないか」と指摘した。

 東村高江周辺の米軍ヘリコプター発着場建設に対し、現地で抗議してきた沖縄平和運動センター議長の山城博治さんは「公平な判決が出てうれしく思う。偏見や差別に屈することなく、強くあらねばならないと励みになる」と喜び、安堵(あんど)した。米軍基地や名護市辺野古の新基地建設に反対する沖縄を標的とするヘイトに悔しさを感じてきた。それだけに判決は「大きなことだ」と歓迎。ヘイトを許さない取り組みと「引き続き連携したい」と述べた。