全国の高校生が和食料理の腕前を競う「全日本高校生WASHOKUグランプリ2021」(金沢市、同開催委員会主催)の決勝大会が8月10日、石川県金沢市の金沢未来のまち創造館で開かれた。沖縄県立浦添工業高校調理科3年の上運天里華さん(17)と古謝一歌さん(17)のチーム「ニライカナイ」は、全国110チームの中から最高賞のグランプリに輝いた。
上運天さんと古謝さんは「びっくりしたが、大会までサポートしてくれた先輩や先生に感謝を伝えたいと思った」と話した。大会で同校の生徒が受賞するのは19年の審査員特別賞以来、2年ぶり。
上運天さんと古謝さんは、応募作品のテーマ「出汁を使った和食」に沿って琉球料理をベースに琉球すっぽんなどの新しい食材を組み合わせ、次世代に継承できる料理を考案した。「万国津梁」と題して、沖縄天ぷらやジューシーの月桃包み、琉球すっぽん汁などを作った。
2人は大会に向けて夏休み期間中、毎日学校で練習した。同校調理科の日本料理を担当するカフーリゾートフチャクコンド・ホテルの総料理長で卒業生の安多榮良さんや、ザ・ブセナテラス調理グループチームリーダーの銘苅健勇さんが支援した。
安多榮さんは調理や盛り付け方の指導、銘苅さんは大会で使用した食器の選択や琉球漆器の貸し出しを担った。
上運天さんと古謝さんは台風接近で会場への到着が危ぶまれたり、まな板など一部の調理器具が届かなかったりするなどのトラブルもあったが、チームワークで乗り越えた。
上運天さんは「大会に出た先輩に憧れて参加した。前回よりいい結果を残せてよかった」、古謝さんは「全国の舞台や雰囲気を感じることができた」と振り返った。2人は管理栄養士になるため、大学進学を目指す。
グランプリ受賞チームは金沢の工芸作家によるオーダーメードのうつわセットが贈られるほか、11月以降に金沢市内で工芸体験や料亭での実地研修・食事体験ができる。
同大会は次代を担う料理人を発掘・育成し、まちの価値を高める和食の聖地を目指すことを目的に19年から開催している。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となり、2年ぶりの開催となった。