「これは詐欺です」 被害を防いだファミマの3人に感謝状 名護署


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名護署長(左端)から感謝状を贈呈された(左から)名嘉眞煌友さん、渡嘉敷隼人さん、大嶺嘉自雄さんと、名護署の山城純一生活安全課長=8月30日

 【北部】「これは詐欺です」。名護商工高校2年の名嘉眞煌友さん(17)はアルバイト先の国頭村ファミリーマート奥間ビーチ前店にこのほど、「パソコンのウイルス除去費用として5万円分の電子マネーを買いに来た」と話す80代の男性の話を聞き、パソコンに表示された電話番号に掛けたり、検索して調べたりして詐欺を見破った。名護署の知念克幸署長は「勇気ある行動で詐欺を未然に防いだ」と、感謝状を贈呈した。

 名護署で8月30日に贈呈式が開かれた。また、ファミリーマート名護田井等店で6月3日、「3千万円を受け取るために必要なポイントを買いに来た」と来店した70代の男性を説得して、警察に詐欺の疑いで通報した店員の大嶺嘉自雄さん(39)と、店長の渡嘉敷隼人さん(28)にも感謝状が贈られた。

 名護署によると、ファミリーマート奥間ビーチ前店を訪れた80代の男性は、パソコンが作動しなくなり、5万円の支払いを要求された。電子マネー購入のため店舗を訪れたところ、対応した名嘉眞さんが異変に気付いた。

 名嘉眞さんは「問い合わせ先の電話番号にかけてみたら『マイクロソフトの者です』と名乗った。本当かなと思い、電話番号を調べてみたらマイクロソフトの電話番号ではなかったので詐欺だと気付いた」と振り返る。

 「地域の高齢者の方もお店を利用する。一つ一つの行動に気を付けて、これからも詐欺を未然に防げたら」と話した。

 消費者庁は今年2月、パソコン上に「コンピューターにウイルスが見つかった」との警告文がマイクロソフトの偽のロゴと一緒に表示され、電子マネーを請求されるケースが急増しているとして注意を呼び掛けている。

 同庁はホームページ(HP)で「実在する日本マイクロソフト株式会社やその関連会社が、突然パソコンに警告を表示して消費者に電話をかけるよう求めるようなことは一切ない」として、記載された電話番号に問い合わせをしないよう呼び掛けている。

マイクロソフトをかたった偽の警告メッセージの例(消費者庁のHPより