「放出せず焼却処分を」 米軍のPFAS処理水、沖縄県が防衛局に要請


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沖縄防衛局の村井勝企画部長(右)に要請文を手渡す県の溜政仁基地対策統括監(左)=2日、嘉手納町の沖縄防衛局

 米軍が普天間飛行場から有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)汚染水を処理して下水道に流した問題で、県の溜政仁基地対策統括監は嘉手納町の沖縄防衛局を訪れ、今後は一切放出せず、米軍の責任で焼却処分をさせるよう米側への働き掛けを要請した。「米軍は正当性を主張しており、今後も同じ事をする可能性がある」と指摘した。

 恒常的なPFAS汚染の背景を調べるために普天間飛行場や嘉手納基地への立ち入り調査を県に許可することや、基地内でのPFOSなどの保管状況を把握して公表することも求めた。

 対応した防衛局の村井勝企画部長は「関係省庁と連携し、さらなる放流を行わないよう米側に働き掛ける。(有機フッ素化合物の一種)PFOS(ピーフォス)などを含む水が適切に処理されるよう日米間で協議していく」と答えた。

 溜統括監によると、米軍が繰り返す可能性があることについて県と防衛局側の認識は一致していた。村井企画部長も「(米側と)協議を加速させたい」と述べたという。

 県はあくまで米軍の責任で汚染水を焼却処分するよう求めている。2日の面談の場で日本政府の方針は明確に示されなかったが、溜統括監は「県側の意向と食い違うような話はなかったので、意向に沿って進めていただけると思っている」と期待した。