粟国フェリー消費税未払い 2015~19年 総額3514万円、村長陳謝


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沖縄本島と粟国島を結ぶフェリー粟国=2018年

 【粟国】粟国村は9月の村広報誌で、村有フェリーの収益に対する消費税が2015~19年の5年間、未払いになっていたと発表した。延滞税と加算税が発生し、消費税総額との総計は3514万3600円に上る。広報誌で高良修一村長は「公金を預かる役場にあってはならない事案と認識しており、深く反省するとともにみなさまに心よりおわび申し上げる」と陳謝した。

 村は村議会の2021年度6月定例会で、一般会計からの繰入金を財源とする補正予算を組んだ。7月に消費税総額(3132万2700円)と延滞税(226万5900円)を一括で納付した。

 税務署からの請求書が届き次第、加算税(概算額155万5千円)を納付する。現時点でフェリー運航へ直接的な影響はない。

 広報誌で高良村長は「村監査役、議会のチェック機能も十分に機能していなかった」とも釈明。高良村長は琉球新報の取材に「執行部が一番悪いが、決算書で消費税がゼロ円になっているものに疑問を呈さず、議会もスルーしてしまった」と説明した。

 これに対し、村議会の山城雅雄議長は「議員や監査役がいても、最終チェックをするのは村長だ。自分たちの悪さをさておいて、なぜ監査役や議会の話が出るのか。これは許されないことだ」と批判した。

 村船舶課によると、20年6月、初めて未払いが発覚した。19年度決算書を確認したところ、18年度分の消費税予算が未執行になっていたことが判明。

 21年4月に税理士が過去にさかのぼって調べたところ、15年から5年間、未払いになっていたことが分かった。

 15~19年度は同じ担当者に消費税の納入を任せていたが、消費税の申告をしていなかったという。申告した場合のみ、その内容が課内で共有され、税務署から請求書が届く。このため、申告していないことに気付かなかった可能性もあるという。

 村は今後詳しい経緯を調査し、再発防止に努める。