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出生率が全国首位! 金武町の子育て支援施策とは<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 2020年、全国の合計特殊出生率は1・34と前年比0・02ポイント減少し、5年連続の減少となりました。少子化の進展は、人口減少など日本の社会経済の根幹を揺るがす問題であり、最優先課題です。その中で、沖縄県の合計特殊出生率は1・86と都道府県別で全国1位です。自然豊かな環境を求め若者の移住も多く、子どもを産み育てやすいと感じる方が多いことが要因の一つです。

 市町村別においては、金武町が2・47と全国首位になっています。金武町では、妊娠出産や子育ての支援に関わるさまざまな政策を展開しています。出産時、子ども1人につき10万円支給があるほか、不妊治療費では最大36万円を助成しています。子育て支援では、中学校卒業まで給食費や中学通学用のバス定期代を無料化し、高校卒業までの医療費無料化も実施しています。

 2018年に金武町においてこども支援課を創設し、子育て支援をワンストップで行い、学校との連携も図られ出生率向上に実を結んでいます。

 出生率は向上している一方で、金武町の人口は大きく増加していません。雇用の場所が少ないことから、転出も多いことが要因の一つです。対策として米軍返還地を活用した企業誘致に取り組んでおり医療施設や運動施設が開業、今秋には温泉宿泊施設が開業予定です。雇用を生み出す政策が成功することが、人口増加につながります。

 雇用対策と子育て支援のバランスで、より住みよく子育てしやすい街づくりが実現されます。

 (沖縄銀行金武支店支店長 又吉毅)