「10年の頑張り、すごい」 大学時代の仲間ら感涙


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ゴールした喜納翼選手の姿に歓声を上げる島袋友見さん(左)らエールを送ろうと集まった友人たち=5日、宜野湾市内

 喜納翼選手が下半身まひになる前、沖縄国際大学のバスケットボールチームで汗を流した仲間ら8人が宜野湾市内で集まり、テレビ越しにエールを送った。プライベートでも交流が深い島袋友見さん(34)は「あんな苦しいところから、ここまで来たんだな」と感慨深く見守り、完走を成し遂げた姿に涙がこぼれた。友人らは「本当にすごい」と声をそろえ、健闘をたたえた。

 喜納選手が大学1年の春休みに脊髄を損傷し、入院した時はみんなショックが大きかったが、明るく前向きな喜納選手の姿に逆に励まされたという。そして持ち前の運動能力を生かし車いす競技を始めたことを、自分のことのように喜んだ。

 島袋さんは「力の源は両親だと思う。悲しんでいるからと、頑張る姿を見せて恩返ししたいという思いが翼にはある。頑張る姿で人を元気にできる、喜んでもらえるから幸せとも話していた」と、喜納選手の強さの源を語る。「この10年、本当に頑張った。本当にすごい」と親友の勇姿に目を細めた。

 同級生の安里愛乃さん(31)は「有名になるとは思っていたけどここまでとは想像できなかった。さすがだなと思う」と感心しきり。パラリンピックのレースに向けて、喜納選手から「楽しんでくる」とメッセージを受け取っていた2人は、「ただただハグしたい」「お疲れと伝えたい」と活躍を喜び、今後も挑戦を続けることを期待した。