りゅうぎん総合研究所(伊東和美社長)は6日、世界的に人気が高まっている「eスポーツ」に関する調査リポートを発表した。県経済への需要取り込みに向け、国際大会を開催する際の興行ビザの簡素化や、プロ選手のキャンプ誘致などを提言。県内で普及を進めるため、学校の部活動などで取り入れるためのルール作りも指摘した。
コンピューターゲームの腕前を競うeスポーツを巡り、県内でも2019年までに関連2団体が設立している。20年1、2月に開催された大会では、海外を含め目標の2倍以上が参加し、観光コンテンツとしての可能性を示した。
一方で、国際大会が大規模になるほど、興行ビザ取得など主催者側の事務負担が増大する。
リポートは、eスポーツ市場の成長を取り込むため、ビザ取得の簡素化や、中国人観光客向けに発行した「数次ビザ」のような、有効期間内に繰り返し渡航できる制度の導入を提言した。
また、プロ野球のようにeスポーツでも県内で強化合宿の実績があると指摘。各スポーツ同様にキャンプ地としてのイメージを浸透させるため、競技の周知や宿泊施設の通信環境の拡充、中規模の専用競技場の整備などを推奨した。
県内の競技人口の拡大を巡っては、KBC学園未来高は部活動に採用し、生徒のコミュニケーションを図る競技ととらえているという。ただ、部活動については認めない学校もあり、リポートは部活動採用に向けた統一したルール作りを求めている。パソコン購入費など、競技を始めるに当たっての初期導入コストの高さも課題と指摘した。
政府が2020年3月に公表した報告書は、国内のeスポーツに関する市場規模は18年に7億7千万円と推計した。一方で、オランダの分析会社Newzooによると、18年に米国は318億円、中国は172億円と桁違いに市場が拡大している。