町議会を「見える化」 ある住民が非公式アプリに込めた思い 沖縄・南風原  


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「非公式南風原町議会アプリ」製作の様子を説明する玉城陽平さん=8日、南風原町宮城

 【南風原】南風原町宮城の塾講師、玉城陽平さん(30)は8月に「非公式南風原町議会アプリ」を開発した。町議会定例会一般質問のやりとりや、各議員が重視する政策などが一目で分かる。玉城さんは「若い人も扱いやすいようになっている。町政を身近に捉えてほしい」と利用を呼び掛けた。

 昨年末、玉城さんは地元に移り住んだ。町政を知るため、町ホームページなどで情報を収集したが、「住民に分かりやすく整理されていない」と感じた。「市町村議会での議論は、自分たちの生活に目に見えて関わる話だ。議会がどう展開されているか見えないから、関心を持ちにくい」と指摘する。利便性の向上で町政への関心を高めたいと、プログラミングがいらないノーコードツールを使ってアプリを製作した。

 アプリは議会だよりなどを基に、町議会の2019年12月定例会以降の一般質問とそれに対する町からの回答、議事録を分野別、議員別、会期別に公開している。議場での発言内容を確認したり、議員の関心分野を比較したりすることで、有権者は自分に関心の近い議員を見つけ出すことができる。

 議会データでは議員の居住地、性別、年代、所属会派や報酬額なども紹介する。データを見ると、南風原町は60代以上の男性議員が多く、若者や女性の声が届きにくいことが分かる。玉城さんは「議員を目指す人や、自分と関心の近い議員を推したいと思う人が増えてほしい」と話す。

 今後も会期ごとに内容を更新する予定で、各議員が掲げるマニフェストの実現状況の検証や防災マップなど、住民に身近な情報を集約して発信したいと考えている。
 玉城さんは「どの自治体も財政的な余裕がない中、技術発展で住民ができることは増えている。行政と住民の間で協働関係を築けたら、町づくりもしやすくなると思う。行政には住民活動がしやすくなるような後押しをしてほしい」と話した。
 (比嘉璃子)

 「非公式南風原町議会アプリ」はこちらからご覧になれます。(https://used-quiet-8419.glideapp.io/