【宜野湾】米軍が普天間飛行場から有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)を含む汚染水を処理し、公共下水道へ放出した問題で、宜野湾市が放出当日に下水道から採取した水を検査したところ、PFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)の合計(速報値)が、国の暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)を上回る1リットル当たり数百ナノグラムだったことが9日、関係者への取材で分かった。市は10日に速報値を公表する予定。
米軍は放出する処理水について、国の指針値を下回る1リットル当たり2・7ナノグラムとして安全性を強調していた。市上下水道局は、米軍が処理水を放出した8月26日に、飛行場から市管理の下水道につながる地点で約2リットルの水を採取していた。
飛行場から下水道への排水は、生活排水も含まれているとみられる。市上下水道局は汚染水が放出された当日の数値と比較するため、9日に同地点で新たに水を採取した。県も8月26日に、別の地点で下水を採取し分析を進めている。
また、在沖米海兵隊は9日、県内の全海兵隊施設でPFOSとPFOAを含む泡消火剤の撤去を完了したと発表した。発表によると米軍は旧来の泡消火剤を、日本政府が認可した県外施設で処理するため搬出した。
米軍は、新しい消火剤への置き換えで「沖縄でのPFOS、PFOAのリスクを低減させる。環境責任に対する関与の証明となる」と強調した。一方で、処分量や詳細な処分法、基地外への排水の有無などは明らかにしていない。琉球新報は汚染水の取り扱いなどを米軍へ問い合わせたが、9日夜までに回答はない。