琉球大学教育学部4年の宮國晃平さん(22)と山入端辰也さん(22)、上間千架登さん(22)は9日までに、新型コロナウイルス感染拡大前後の学校の楽しさについて、県内中学生へのアンケートを実施した。コロナの感染拡大前、拡大後とも、85~90%の生徒が「学校が楽しい」と答えていることを踏まえ、生徒同士や教師、家族など周囲の関わりが「生徒の学校適応感やレジリエンス(立ち直り力)、良好なメンタルヘルスの維持につながっている」と分析した。
アンケートは中学1~3年生を対象に、7月中旬に実施。県内4校の生徒826人が回答した。
「コロナが流行する前(二つ下の学年)、学校は楽しかったか」との質問に「当てはまる」と答えた生徒は90.3%、「本年度、学校は楽しいか」との問いに「当てはまる」と答えたのは85.8%だった。
学校生活の中で「楽しい」「楽しみにしている」ものを選択する質問(複数回答)には、「教師や友人との交流」の77%が最も多く、「修学旅行」が68%、「部活動」が51%だった。他にも給食や行事、一人で静かに過ごすなどの回答があった。
「悩みや困ったことがあったらどうするか」(同)を尋ねたところ、「友達に相談する」が最多で56%。以下、「動画視聴やゲームで気を紛らわす」42%、「家族に相談する」40%などと続いた。また「自分で解決に努める」「一人で悩む」「教師に相談する」といった回答もあった。
一方、「本年度、学校は楽しくない」と答えた生徒が11.9%と、コロナ拡大前の7.9%に比べ4ポイント増加した。
宮國さんらは「『楽しくない』と答えた人も増えており、コロナの影響はなかったとは言えない」とも指摘した。
調査に当たった上間さんは、「文献では分からない子どもたちの生の声が聞けた。コロナ禍で特別な経験をしている子どもたちがどう思っているかを知り、学校が楽しいと思っている生徒がいて、教師を目指す人としてうれしい」と話した。
山入端さんは「生きていく上で子どもたちは悩みや壁などたくさんの困難に立ち向かっている。レジリエンスを伸ばすために大人や教員は子どもたちが過ごしやすく、リラックスできる学校環境をつくることでコロナ禍という困難も乗り越えていけると思った」と感想を述べた。