辺野古移設で名護市議会論戦 岸本氏「市の意見全く見えない」 渡具知氏「知事の承認得て工事」


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(左から)岸本洋平市議、渡具知武豊市長

 【名護】来年1月23日投開票の名護市長選に立候補を表明した岸本洋平市議と、再選を目指す渡具知武豊市長が8日、名護市議会一般質問で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題を巡り論戦した。

 2018年の前回市長選で渡具知氏が在沖海兵隊について「県外・国外移転が望ましい」と公約に掲げたことについて、岸本氏が「ずいぶんと変わってきている」と公約違反を指摘。渡具知氏は「全ての海兵隊の撤退というのは発言したことはない」と答弁した。

 岸本氏が「海兵隊の基地である辺野古新基地についても県外・国外への移転が望ましいと考えるか」と質問すると、渡具知氏は「(県内移転は)SACO合意による負担軽減策の一環で、知事が承認した」とした上で、「必ずしも全ての海兵隊の即時撤退と同義ではない」と述べた。

 岸本氏が「市民の安全や大浦湾の自然などについて、全くといっていいほど意見が示されていない」と埋め立てによる基地建設に対する姿勢を追及すると、渡具知氏は「知事の承認を得て行われている工事と認識しており、法律で求められている以外は意見を申し上げる立場にない」とかわした。