下水PFAS指針の13倍 米軍放出当日、宜野湾市が採取


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 【宜野湾】米軍が普天間飛行場から有機フッ素化合物(PFAS)を含む汚染水を処理し、公共下水道に放出した問題で、宜野湾市は10日、放出当日に下水道から採取した水の調査結果を発表した。国が定めた水質の暫定指針値は、発がん性などのリスクが指摘されるPFOSとPFOAを合わせて1リットル当たり50ナノグラムとされているが、市の調査ではこの13・4倍に当たる670ナノグラムが確認された。

 宜野湾市の調査によると、PFOSが1リットル当たり630ナノグラム、PFOAが同36ナノグラムだった。新たに有害性が指摘されているPFHxSも69ナノグラム検出された。

 米側は放出当日の8月26日、汚染水は処理作業を経て、PFOSとPFOAの合計値は国の指針値以下の1リットル当たり2・7ナノグラムまで浄化されていると説明していた。宜野湾市の松川正則市長は10日に市役所で記者会見し、「これだけ数値が高いことを懸念している。市民の安全・安心のため何らかの形で対応したい」と話した。結果は米軍や沖縄防衛局にも伝えた。

 調査は市伊佐の公共ます(マンホール)から採水した。普天間飛行場全体から排出される汚水が集約されているため、今回米軍が排出した「処理水」以外も含まれる。

 一方、市が把握する限り、この地点に民間地からの排水は流れ込んでおらず、市は汚染は基地排水が要因だと推察している。