【宜野湾】米軍が普天間飛行場から8月26日に宜野湾市の公共下水道に放出した汚染水について、市の調査で環境省暫定指針値の13倍に上る有機フッ素化合物が検出された。基地周辺で暮らす市民は「人権が無視されている」「米軍に何も言えない日本政府に責任がある」などと反発した。
市民団体「有機フッ素化合物(PFAS)汚染から市民の生命を守る連絡会」共同代表の町田直美さん(65)=同市=は、米軍が国の基準値を下回る値まで「処理した」と説明していたことを挙げて「信じられないと思っていたが、実際にこんな結果になり悔しい。米軍は一体どう説明するつもりなのか」と憤る。
「自然環境が汚染され、健康が脅かされても市民は黙っておくしかないのか。人権が無視されている」と米軍を批判した。
昨年4月に同基地から泡消火剤が流出した事故の現場を目撃したという市在住の女性(70)は「これほど汚染されているとは。怖い。東京でこんなことが起こったら日本政府の対応も違うのではないか。沖縄のことは見て見ぬふりをしている」と批判した。
市民団体「ぎのわん清(ちゅ)ら水会」で活動する呉屋初子さん(72)=同市=は「米軍への不信感でいっぱいだ。沖縄は植民地のように扱われている」と話した。普天間飛行場は返還が予定されていることに触れて「汚染されていれば跡地利用できないのではないか」と指摘した。