自民総裁選 辺野古へ4氏言及なし


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 【東京】自民党総裁選に立候補した4氏は、中国を意識した安全保障政策などを主張する。一方、17日の記者会見や所見発表演説会では、在沖米軍基地や、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題に言及する候補者はいなかった。

 外相、防衛相を歴任した河野太郎沖縄担当相は、海洋進出を続ける中国による一方的な現状変更に対し、国際社会で立ち向かうとした上で「したたかな外交が必要だ」と説明。防衛費は「無尽蔵に増やすことはできない」とし、米国などと連携しながら安全保障を考える必要を訴えた。

 岸田文雄前政調会長は、自由、民主主義、人権などの価値観を共有する国々と連携し「領土、領海、領空を守る姿勢を示さなければいけない」と強調。防衛費に関し「島しょ防衛、ミサイル防衛、宇宙、サイバーなどさまざまな課題について考えないといけない」と優先順位を考える必要性を指摘した。

 防衛費の増額に意欲を示していた高市早苗前総務相は「真に必要なものを見極め、積み上げていく。防衛費の規模について申し上げることはできない」と述べた。「敵基地攻撃能力」の導入について「可能とするための法制度整備、訓練と装備の充実、防衛予算の増額を行っていく」と強調した。

 野田聖子幹事長代行は、太平洋戦争で多くの犠牲を出した経験から日本が非戦を貫いてきたとし、「その土台に立った上での専守防衛だ」と強調。日本は外交的、地政学的にも米中をつなぐ役割を果たせるとの認識を示し、「賢い国家としての立ち位置を極める絶好のチャンスを迎えている」と語った。