32軍壕をドローンで測量 沖縄県データ収集、地形図作成へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
レーザー計測装置を積んだドローンの離陸=22日午前7時15分、那覇市首里大中町の中城御殿跡

 沖縄県は22日、那覇市の首里城地下付近に広がる第32軍司令部壕の保存・公開に向け、ドローンを使ったレーザー測量の様子を報道陣に公開した。16日から4日間の日程で実施し、22日が最終日だった。本年度に行う基礎調査の一環。首里城と第32軍司令部壕を中心とする約1キロ四方を対象に、地形データを収集した。データは、壕周辺の詳細な地形図や壕の位置図の作成に活用する。

 使用したドローンは直径約1・8メートル。測量機器を搭載し、地表の凹凸を調べることができる。22日は龍潭や城西小、首里高周辺を調べた。

 県は、今年7月の第32軍司令部壕保存・公開検討委員会の第3回会合で、調査項目や調査スケジュール案を示した。本年度の基礎調査では、ドローンによる測量に加え、すでに発掘済みの第5坑道と第2・3坑道内でレーザー測量を実施した。地表を歩いて調べる地表面踏査も終えた。

 県子ども生活福祉部女性力・平和推進課の平安山純子班長は「地形データと壕内部の測量データで壕の状態を立体的に捉えることができる」と述べた。ただ発掘済み区間に限られ、未発掘区間は分からないという。

 未発掘区間については、県は、次年度に詳細調査を予定する。位置や状態などを確認するとしている。秋ごろに予定する県の検討委員会の次回会合で、基礎調査の中間報告を行い、詳細調査の内容などについてさらに検討する。

 22日、県の調査をそばで見守った「第32軍司令部壕の保存・公開を求める会」副会長の垣花豊順さん(88)は「県は、大きなグランドデザインを描き、調査を進めてほしい。世論喚起すれば支援金も集まるだろう」と期待を示した。

 ドローンの上空からの調査映像は、QRコードから見られる。