新型コロナウイルスに感染する割合が20代以下の若年層で高まる中、学校現場では感染対策に苦慮している。特に特別支援学校では、基礎疾患がある児童生徒も多く在籍し、障がい種別も異なるため「感染防止を徹底しているがそれでも不安だ」「陽性者が出た場合の影響が大きい」など、常に緊張が強いられている。琉球新報は9月8~15日にかけて県内の特別支援学校23校に、登校控えや現場の課題に関するアンケートをファクスで送り、16校から回答を得た。
緊急事態宣言の30日までの延長に伴い、県教育委員会は10日、分散登校の継続を各県立学校に通知。特別支援学校については、児童生徒の実情に応じた学校判断とした。
本紙のアンケートでは16校のうち、約8割の12校でオンライン授業を取り入れていた。
一方で「画面の前に集中して座っていることが難しい」「端末を児童生徒だけでは扱えない」「肢体不自由の重度重複障がいのため保護者の協力が必要」など、課題も多い。
オンライン授業による内容理解度の把握や個別のフォローアップの難しさに言及する学校もあった。オンラインを取り入れていない学校も、前記と同様の理由を挙げている。
登校日は各学校で県のガイドラインに沿った感染対策を講じている。それでも、「感覚過敏や情緒障がいでマスクの着用が難しい」「半数以上の生徒に基礎疾患がある」など、特別支援学校の特性上、感染防止対策を進める上での困難がうかがえる。
近年の生徒数の増加で「過密化で3密回避が難しい」との回答もあった。
感染不安に加え、授業の遅れや行事計画の中止などを課題に挙げる学校もあった。
生徒の就職につなげる就業体験などが順調に実施できず、「経験不足につながっている」との回答も見られた。
アンケートによると、保護者から、陽性者が出た場合に休校措置を願う声がある一方で、分散登校を希望しない声もあったという。ある学校の教頭は「障がい種別もさまざまで、生徒一人一人への対応が求められていて、全員に共通した指導や対処方法はない」と語った。
(新垣若菜、照屋大哲)