7月に世界自然遺産に登録されながら、貴重な動植物の密猟や盗採が後を絶たない本島北部のやんばるの森に生きる希少な野生生物を守ろうと、沖縄県や環境省は22日から23日にかけて、やんばるの森で合同パトロールを実施した。今回は密猟者は見つからなかったが、参加者は不審な人や車がないか目をこらし、やんばるの森を見回った。
県や環境省のほか、名護署や国頭村森林組合などから14人が参加。22日深夜から23日未明にかけ、車両4台に分乗し、2ルートに分かれ、希少な野生生物に注意を払いながら林道をパトロールした。参加者が見つけた側道に止めてあったレンタカーには、車内に林道通行の許可証が置かれていたが、念のため、密猟防止を呼び掛けるチラシをワイパーに挟んだ。
やんばるの貴重な動植物は、種の保存法などで捕獲が禁止されている。パトロール中、森の中では南西諸島の固有種で他国に保護の協力を求めるワシントン条約の「付属書3」に掲載されたイボイモリのほか、アマミヤマシギ、マルバネクワガタなどの姿が確認された。
県自然保護課の島袋直樹世界自然遺産推進室長は「やんばるはマナーブックが作られていて、道の駅で配布したり、ホームページなどに掲載したりしている。ルールを守り、知ってもらうことにつなげたい」と期待した。