剣道の第58回県男子選手権大会が23日、県立武道館第二錬成道場で行われ、決勝は嘉陽宗隆(県警)が上江洌貴大(同)に勝利し、優勝した。嘉陽は2013年以来、2度目の頂点。嘉陽と上江洌は第69回全日本選手権大会(東京・日本武道館、11月3日)の出場権を得た。県大会は6月実施予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期になっていた。
電光石火の面だった。相手よりも一瞬速く間合いを詰めて繰り出した。嘉陽宗隆は「考えて出したわけではなく、体が自然に反応していた」と厳しい戦いが凝縮された一瞬を制した。
決勝は同じ県警機動隊で汗を流すコーチ兼選手の上江洌貴大。ともに鹿屋体育大出身で上江洌が2学年先輩だ。嘉陽は「これまで決勝で何度も対戦したが、勝ったのは初めて」と実感がわかない様子だった。
5分で決着が付かず、3分間の延長戦に突入。2度目の延長開始早々に放った面を決めた。「いつもは待って打たれる場面が多く、今日は思い切りいこうと思った」と積極姿勢が勝利を呼び込んだ。
コロナ禍で約1年半も実戦練習ができず、打ち合う稽古を始めたのは1週間前から。素振りや自主トレーニングはこなしてきたが「試合感覚や体力面で不安だった」と勝ち上がる中で本来の感覚を取り戻した。
激闘と言える一戦だった。敗れた上江洌は「久しぶりの試合で楽しかった」と負けにもすがすがしい表情だった。
嘉陽は前回出場した8年前の全日本では1回戦敗退。「強者がそろい、場慣れしている人も多い。一戦一戦を大事に戦っていきたい」と決意を込めた。
(大城三太)