琉球新報が県内の特別支援学校に実施したアンケートでは、各校が新型コロナウイルス感染対策に苦慮していることが分かった。生徒の半数以上が基礎疾患のある学校もあり、重症化を懸念し、登校控えも起きている。進路に直結する就業体験も延期や中止に追い込まれた。コロナ禍が児童生徒の現在だけでなく、未来にも影響を及ぼしかねない事態となっている。感染防止と学びの保障のはざまで現場は揺れている。
琉球新報のアンケートでは、11校で少なくとも114人の児童生徒が、学校再開初日に登校を控えていたことが分かった。登校控えがある学校のうち、人数が無記入ところもあるため、実際の人数はもっと多い。
感染不安のほかに、各学校が理由に挙げた最も多い回答は「基礎疾患があり、重症化リスクがあるため」だった。医療支援が必要な重度障がいのある子どももいるため、ある学校の教頭は「保護者も慎重になっている」と語った。
一方で別の学校の教頭は「保護者が仕事のため、(児童生徒が)基礎疾患があっても登校させざるを得ないケースもある」と推察する。「学校側も感染予防の徹底に努めているが不安はある」と吐露した。
2割の生徒が登校を控えた本島内の学校は、医療的ケアを必要とする児童生徒が8割を占める。学びの保障のため、オンライン授業に取り組んでいるが、障がいの特性上「全面的に保護者の協力が必要となる」と回答した。