障がい者・高齢者の観光案内 窓口問い合わせが76%減 20年度、コロナで落ち込み


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 バリアフリーネットワーク会議(親川修代表)はこのほど、「しょうがい者・こうれい者観光案内所」の2020年度の運営実績をまとめた。那覇空港、国際通り、バスターミナルにある案内窓口への問い合わせは、前年比76・3%減の3816件となった。新型コロナウイルスの影響による観光客の落ち込みに伴って減少し、開所2年目の件数を下回った。

 旅程のアドバイスや滞在先との受け入れ調整など、継続的な対応が必要な相談件数は例年、2千件ほどあるが、20年度は同89・6%減の307件だった。

 一方、ウエブサイト「県バリアフリーマップ」へのアクセス数は同6・1%増の2万8827人と増えた。県内のスポーツ施設や文化施設の障がい者対応情報を追加したことが影響したと見られる。

 同会議の親川代表によると、県内観光地でのバリアフリー対応は年々進んできているという。バリアフリー対応している飲食や観光施設などを掲載する観光ガイド誌「そらくる沖縄」のページ数は、前年発行時の128ページから160ページに増えた。

 観光案内所では新たなサービスとして、海水浴を楽しめる水陸両用車いすの貸し出しを始め、「そらくる沖縄」にも情報を掲載している。

 ショッピングセンターや空港の障がい者専用駐停車スペースについて実態調査し、健常者が駐車していた割合がサンエー那覇メインプレイスで15%、那覇空港出発ロビー乗降所で82%、同到着ロビー乗降所で69%という結果となった。

 親川代表は「ハード面の対応は進んでいるが、スタッフの対応力の向上が大事だ。障がい者でもマリンスポーツなどのアクティビティが楽しめるような工夫も必要だ」と話した。