Wi-Fiで世界自然遺産マナー啓発 空港などで接続時に表示


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 世界自然遺産に登録された沖縄島北部と西表島、鹿児島県の奄美大島と徳之島の野生生物保護や環境保全のために、県内企業など47団体でつくる世界自然遺産推進共同企業体らが28日、「入域マナー啓発Wi―Fiプロジェクト」を開始すると発表した。ホテルや観光施設、空港など人の集まる施設で、Wi―Fi接続時にスマートフォンに啓発メッセージを表示するようにし、登録地域に立ち入る際の注意事項を伝える。

 観光客などが各施設のWi―Fiにログインし認証、接続した後に、環境省作成のメッセージが表示される。沖縄県内では、野生生物の交通事故(ロードキル)を防ぐための注意喚起や、動植物を採取しないこと、野生動物にえさを与えないことなどを啓発する7枚の図が表示される。

 共同企業体の代表を務める青木紀将日本トランスオーシャン航空(JTA)社長は「野生生物の交通事故、密猟が発生し、大きな課題になっている。訪れる観光客の意識醸成が最も重要だ」と狙いを話した。

入域マナー啓発プロジェクトの開始を発表する世界自然遺産推進共同企業体の青木紀将代表(左)と龍秀樹副代表=28日、那覇市壺川のNTTドコモ沖縄支店

 10月15日から実施する。開始当初は日本語だけだが、多言語対応も検討している。既存のWi―Fiがない施設には、企業体の事務局を務めるNTTドコモが機器を2022年1月14日まで無償で設置する。

 プロジェクトは共同企業体のほか、鹿児島県内の64団体でつくる世界自然遺産推進共同体、登録対象地の12自治体が実施する。

 22日時点で、県内では国頭村のオクマプライベートビーチ&リゾート、本部町の沖縄美ら海水族館、石垣港と竹富町の各島を結ぶ安栄観光のフェリー6隻で実施が決まっている。那覇空港などでの実施も調整しているという。

 鹿児島県では、奄美空港や徳之島空港など計11カ所で実施する。

 今後、両県内でプロジェクトへの参加施設を募る。参加の申し込み、問い合わせはNTTドコモ(電話)098(840)0130。