マングース、北部で「低密度維持」ヤンバルクイナの生息域は回復


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 環境省沖縄奄美自然環境事務所は27日、県と連携協力して行う本島北部のマングース防除事業で、大宜味村塩屋と東村福地ダムを結んだ「SFライン」の以北で、2020年度に33匹を捕獲したと発表した。最多の捕獲数だった07年度の19分の1程度で、同域内での完全排除へ「低密度状態を維持できている」とした。

 対象地域を1キロ四方に区分した「メッシュ」のうち、マングースが捕獲されたメッシュ数はこれまでで3番目に少ない17。捕獲数は最も少なかった17年度の28匹より増えているが、長期的には捕獲数・捕獲メッシュともに減少傾向という。

 ただ、しばらくマングースの生息情報がなかった県道2号より北の地域で約9年ぶりに1匹が捕獲された。環境省担当者は「実情は分からない。捕獲し残した個体かもしれないし、南から入ってきた可能性もある」として、捕獲ゼロが続く地域でも監視を続ける必要性を指摘した。

 マングースなど外来ほ乳類の排除に伴い、オキナワイシカワガエルはSFライン以北で年々確認数が増え、20年度は大国林道のほぼ全線で確認できた。ホルストガエルやナミエガエルも分布域が南へ拡大傾向にあるという。ヤンバルクイナも東村と大宜味村での生息域の回復が確認された。

 環境省担当者は「SFライン以北のマングース完全排除へ、今後も同様の作業を続ける」とした。