沖縄周辺の海面水温29.9度 9月で最高「台風強める要因に」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄周辺の海域で2021年9月の月平均海面水温が、解析値のある1982年以降で9月として最も高い水温を記録した。1日、沖縄気象台が発表した。

 最高値を記録したのは東シナ海南部と沖縄の東と南の3海域。それぞれ東シナ海南部が29・1度(平年差プラス1・1度)、沖縄の東29・8度(同1・3度)、沖縄の南が29・9度(同0・9度)だった。

 気象台は、海面水温が高くなった要因について(1)周辺海域では太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多く、平年より多くの日射を受けた(2)平年より風が弱く、海面水温が平年よりかなり高くなった―の2点を挙げた。地球温暖化との関係については、海域が狭く、年ごとの変動も多いことから評価できる状況にはないという。

 9月は四つの台風が発生した。このうち台風14号と16号が沖縄の周辺の海域を通過し、それぞれ猛烈な台風と非常に強い台風に発達した。海面水温が26度以上になると、台風が発生・発達しやすくなる。

 気象台の担当者は海面水温について「大気の状態も考慮する必要はあるが、台風を強める要因の一つになった可能性がある」と説明した。