【識者評論】GoTo復活の前に感染防止徹底を(下地芳郎・OCVB会長)


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 緊急事態宣言が4カ月にわたり、観光にとっては厳しい状況がずっと続いてきた。宣言解除は明るい材料だ。これまで沖縄への不要不急の往来を自粛するメッセージを発信してきたが、ワクチン接種かPCR検査をしてぜひ来て下さいと言えるようになったことは大きな違いがある。

 ただ、感染は全国で最も悪い状況が続いている。今後、沖縄観光の魅力発信を強化していくが、それと同時に訪れる観光客も受け入れる側のわれわれも、感染防止対策をさらに徹底する必要がある。旅行者にとって、感染対策がしっかりできている場所なのかということが旅行先を選ぶ際のとても大きな関心事になっている。

 「GoToトラベル」による需要喚起効果は大きいが、今は価格の安さではなく、感染拡大に注意しながら旅行を楽しむ人を大事にしていくべきだ。GoToの再開は早期にではなく、制度設計をしっかりしてからでいい。

 今後は、3密を避けるための観光プログラムをどう発信していくかが重要となる。新たな沖縄滞在モデルとして、ワーケーションの活用を積極的に発信していく。次の段階に向かうための準備という意味でも、1年半もの間厳しい状態が続いている観光業界に対する経営支援を行政に引き続き求めていきたい。