高校野球秋季大会 那覇2発で快勝 上原、緩急生かし北谷翻弄


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
那覇―北谷 北谷打線を抑え、完投した那覇のエース・上原玲央=3日、アグレスタジアム北谷

 高校野球の第71回県秋季大会第5日は3日、県内3球場で2回戦残りの8試合を行い16強が出そろった。KBC未来がコザに11―4で快勝した。那覇は2本塁打を含む13安打で、北谷の猛追をかわし5―1で勝利。嘉手納が宮古総実・宮古工・八重山商工に14―5、北山が与勝を5―1で下した。そのほか、具志川商は南風原に19―2、沖縄尚学が豊見城南に10―0、前原が本部に12―2、糸満が浦添に7―5で勝ち、3回戦に進んだ。3回戦の8試合は9、10の両日に行う。

 何度もピンチを背負いながらも、球を低めに集め、緩急を生かした投球で北谷打線を翻弄(ほんろう)した。那覇の最強バッテリーが息を合わせてテンポ良く、最後までゲームの主導権を握った。

 エース・上原玲央は試合前の投球練習で「いつもよりスライダーの調子が良い」と感じた。捕手の安室佑と相談し、いつもなら直球を中心に組み立てる配球を、この日は「スライダーで打たせて取っていこう」と確認。内角低めを狙った丁寧な投球で長打を許さなかった。

 序盤は直球と変化球を半々の割合で組み立てたが、中盤以降は「相手がスライダーを引っかける場面が多かったので、スライダーを軸に組み立てた」と安室。一方、走者を背負う場面では、迷わず直球勝負で挑み三振を奪った。勝負どころをきちっと締めた上原に、安室は「要所はしっかり構えた所に投げてくれた」と絶賛した。

 上原の好投は打線にも勢いを付け、チームは2本塁打を含む5得点で快勝した。上原は「ピンチも多かったが、最少失点でしのげて良かった」と充実感を漂わせ、仲間と勝利を喜んだ。 (上江洲真梨子)