休日や勤務外は部活指導、平日は休憩も取りづらい…教員の働き方をSNSで共有


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「沖縄の教職員の働き方を考える会」のツイッターページ

 長時間労働を改善して教員が授業に集中し、教員と子どもたち双方にとってもよりよい学校を実現しようと、県内の教員らが「沖縄の教職員の働き方を考える会」としてSNSでの発信を続けている。7月中旬の開設から2カ月半でフォロワーは500人を超し、発起人らは「仲間を増やし、社会全体の問題として解決する空気感を作りたい」と活動を続ける。

 発信するのは中高の教諭と大学非常勤講師の3人。フェイスブック、ツイッター、LINEを一般向けと、表立って活動しづらい現職教諭への発信に使い分ける。学校関係者のほか教育に関心を寄せる人たち、議員などとのつながりも生まれているという。

 発起人の1人で中学校教諭の波照間千夏さん(37)は「子どもたちが予測不能な社会を生き抜くには、調べれば分かる知識ではなく物の見方や考え方を身につける必要がある。でも教員は忙し過ぎ、疲れ切って世の中で何が起きているかを知る気力さえない」と語る。教員の労働環境のしわ寄せを子どもたちが負っていると指摘する。

同会が発信するフェイスブックの投稿

 SNSでは、多様な業務に忙殺されて授業準備の時間や休憩さえ取りづらい日常に加え、休日や勤務時間外に対応している部活指導といった学校の実態、市町村議会での質疑と幅広い情報を発信する。コロナ禍で登校控えの児童生徒が増えたことを報じる新聞記事が出た後には、現場の教員へ「不安を1人で抱えていませんか」、管理職には「軽減できる業務を手放して、先生方のことも守って」と訴えた。読んだ人たちからは賛意や応援のほか、改善や連携の事例や提案といったコメントが寄せられ、情報交換や議論が盛り上がることもある。

 主宰者の1人、大学非常勤講師の山城彰子さん(37)は「声を上げることで多くの人が知るようになり、時間はかかっても状況は変えられる。ほそぼそとでも継続したい」と力を込めた。

 フェイスブックとツイッターは会の名称で検索する。

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(黒田華)