沖縄・南洋戦の原告団が解散 救済法の制定求める活動は継続


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原告団の解散と今後の活動について説明する瑞慶山茂弁護団長(中央)と「南洋戦・フィリピン戦」被害・謝罪及び国家賠償訴訟原告団の柳田虎一郎団長(左から2人目)ら=8日、県庁

 サイパンやテニアンなどの南洋諸島やフィリピン、沖縄で戦争被害を受け、県出身者や遺族らが国に謝罪と損害賠償を求めた訴訟の原告団が9月30日に解散した。「南洋戦・フィリピン戦」被害・謝罪及び国家賠償訴訟原告団の柳田虎一郎団長(83)や、瑞慶山茂弁護団長(78)らが8日、県庁で会見を開き、解散の報告と今後の活動について語った。

 沖縄戦被害賠償訴訟は2012年8月、南洋戦被害賠償訴訟は13年8月に提起された。いずれも最高裁が上告を棄却し敗訴が確定した。瑞慶山弁護団長は日本軍の行為が残虐非道であったことや、民間人の心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの被害が認められたことに触れ、「判決は勝利できなかったが、成果はあった」と評価した。一方で「被害者を補償し、歴史にけじめを付けなければならない。全国の空襲被害者とも連携して求めていく」と話した。

 南洋・フィリピン戦と沖縄戦の原告団は今後、19年に発足した「民間戦争被害の補償を実現する沖縄県民の会」で活動を継続し、被害を救済する法律の制定を求める。