県立病院の赤字が大幅減 国からのコロナ対策費で改善 20年度事業決算


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 沖縄県立6病院や診療所を運営する県病院事業局(我那覇仁局長)の2020年度病院事業会計決算は、新型コロナウイルスの影響で患者数は激減した一方、国からのコロナ対策費が増えたことで財務が改善したことが11日、分かった。外来診療や入院が減少したため、医業損益は前年度比56億7462万円(96.4%)減の115億6345万円だった。

 一方、国からのコロナ対策費を含む医業外収益は前年度から82億3977万円(94.1%)増の169億9621万円だった。病院事業収益は同48億4555万(8.2%)増の639億9954万円だった。同日の県議会決算特別委員会への提出資料で明らかになった。純利益は前年度比18億5544万円(5.9倍)の22億2976万円だった。累積欠損金は同22億2976万円(24.9%)減の67億2209万円と赤字幅は大きく縮小した。

 県立病院は慢性的に赤字体質に陥っており、経営改善が課題となっている。コロナ禍の22年度も患者数は減るが、国庫支出金の増加傾向は続くとみられる。