高校野球の第71回県秋季大会第7日は10日、3回戦残りの4試合を行い、北山が那覇に5―2で競り勝ち44年ぶり4度目、KBC未来が具志川商に10―3で初の8強入りを決めた。前原は糸満に11―4で6年ぶり17度目、今夏の全国選手権大会に出場した沖縄尚学は嘉手納に7―0で完封勝利し、5年連続31度目のベスト8となった。準々決勝は16日、コザしんきんスタジアムとタピックスタジアム名護の2球場で行われる。
エース・知念、粘りの投球
北山のエース・知念夢翔(ゆめと)が粘りの投球で那覇打線を抑えた。厚い投手陣の中、「ランナーを背負っても度胸があり、ストライク勝負ができる。いいマウンドさばきをしてくれる」と津山嘉都真監督が信頼を置く。1、2回戦に続いてこの日も一人で投げきり、被安打3、奪三振10の内容で試合を締めた。
スライダーを武器に五回まで無失点。六回以降は疲れが見え始め、四死球も出したが、粘りの投球で要所を締めた。「球が走っていなくて後半は疲れも出た」。好投を手放しで喜ぶことはなかったが、攻撃でも七回には自らスクイズを決めて追加点を奪うなど、勝利に貢献した。
チームは二回、仲里龍喜と仲里琉清が適時打を放ち計3点を奪い、リズムをもたらした。仲里龍は「チャンスで先制打につなげることができた」、仲里琉は「変化球狙いで打ち返すことができた」と胸を張った。
次は夏の県大会で大敗した沖縄尚学と対戦する。2イニングを投げ、悔しさを抱える知念は「万全の状態で試合を迎えたい。リベンジのつもりで挑戦したい」と闘志を燃やした。
(大城三太)
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●那覇 六回に2点適時打を放った佐和田誉人(たかと) 相手投手のテンポが良く、的が絞れなかった。特にスライダーに切れがあった。二回の3失点でチームの士気が下がってしまい、そのまま引きずってしまった。ボール球の見極め、ベンチでの声掛けなどがチームの課題だ。