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ワクチンを打つと決めるまで<伊是名夏子 100センチの視界から>107


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
自然の中にあるカフェで、ランチと川遊びをしました

 新型コロナウイルスのワクチン接種をしました。未知のワクチンの体に及ぼす影響が不安で、ずっとためらっていたのですが、今回の第五波は精神的に堪えました。子どもの感染が目立つようになり、わが子たちも集団生活を送っているので、いつ罹患(りかん)してもおかしくないと感じたからです。そして罹患しても病院が満杯で、もしくはトリアージされ、医療が受けられないかもしれないと不安でいっぱいになったのです。今年の冬はワクチンの効果が薄れ、ブレイクスルーが目立ち、より医療がひっ迫するかもしれません。重症化のリスクが高い私は、未知のワクチンに対する不安よりも、接種して重症化を防いだ方がいいと思うようになりました。

 他にも打つと決めた理由はいくつかあります。私の体重は20キロと幼稚園児と同じくらいですが、接種量は大人と同じなので不安でした。知り合いの医師に相談すると、ワクチンは体重ではなく月齢で決めるので、そこまで問題ではないかもしれない、と言われました。抗体のでき方は、摂取量よりも、月齢の影響が大きいようです。また私と同じ障害がある人たちも接種する人が増え、副反応は重い人から軽い人までさまざまで、障害があるから重くなったというわけではなさそうでした。しかしコロナウイルスに関しては、長期的なデータが十分にあるわけでなく、不安は尽きません。

 医師のアドバイスに従い、接種前日から水をたくさん飲みました。ただの水だと飽きて飲みづらいので、ハーブソルトを混ぜたり、レモン汁や梅酢を入れたりと、味を変えて飲み続けました。トイレに行く回数が増えたのはやっかいでした。しかし、そのおかげか、接種後の副反応は、腕の痛み、頭痛と微熱が半日あっただけで、予想よりも軽く済みました。二回目はもっときつくなるかもしれませんが、まずは一段階クリアです。

 ワクチン接種に関してはいろいろな考え方があり悩みます。本人が決めるしかありません。しかし自分とは異なる考えを持つ人を非難してはいけないと感じます。アドバイスのつもりであっても、それを苦しく感じる人もいるからです。ワクチンを打っても感染しないわけではないので、これからもできることを重ね、乗り切っていきたいですね。


 いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。