観光とは「あるもの探し」「箱物より生き生きした街を」 沖縄観光総研・宮島氏が講演


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 第95期「新報女性サロン」第4回講座が13日、那覇市泉崎の琉球新報ホールで開かれた。経営コンサルタントで沖縄観光総研の宮島潤一氏が「住んでよし訪れてよし。美ら島沖縄~どうして?世界が恋する沖縄なの!~」と題し講演した。「観光とは、ないものねだりより、あるもの探し」と沖縄の自然や芸能、食など魅力を発信し、地域経済の活性化を図ることの重要性を解説した。

 宮島氏は、沖縄を訪れた観光客が2019年度に1000万人を超えたことを紹介。2~3泊の滞在で、国内客は約8万円、海外客は約12万円を消費する計算で、観光客1000万人の消費は県民70万人分の年間消費額に当たり、15万人の雇用効果があると説明した。少子化で国内人口が減少する一方、世界では特にアジアで人口増が進む。「地域経済を活性化させるには観光しかない」とし、海外客を長く県内に滞在させる取り組みの重要性を指摘。課題として、ナイトコンテンツの充実などを挙げた。

 宮島氏は「箱物をつくるよりも、素朴なあるもの探しでいい。皆さんが胸を張って、生き生きとしている街に観光客が訪れる」と語った。講演の前後には、国内外で音楽活動を行う「リュウキュウノツカイ」のチャキさんが三線を弾き「豊年音頭」などを歌い、会員らは手拍子や座った状態でカチャーシーをして盛り上がった。

宮島潤一氏の話に耳を傾ける新報女性サロンの会員ら=13日、那覇市泉崎の琉球新報ホール
宮島潤一氏