柔らかいサンゴの「お花畑」<北谷の海辺散歩・生物調査から>10


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 北谷の沿岸は人気のダイビングスポットで、国内外からの多くのダイビングファンを魅了しています。その魅力の一つに柔らかいサンゴ、ソフトコーラルがあり、そのカラフルで大きな群落は「お花畑」に例えられています。

 サンゴは刺胞動物に属する生物で、炭酸カルシウムの硬い骨格でサンゴ礁を形成するイシサンゴなど六放サンゴ類と、ウミトサカなどソフトコーラルと呼ばれる柔らかいサンゴを含む八放サンゴ類があります。

 以前、イシサンゴの仲間の隙間に生息し、サンゴが分泌する粘液を食べるカラフルなカニを紹介しましたが、ソフトコーラルを専門に食べる生き物もいます。写真の貝はウミウサギという非常に美しい貝で、ダイビング中に注意深くお花畑を観察すると、見つけることができます。
 (沖縄県環境科学センター所長・小澤宏之、北谷町教育委員会・藤彰矩)

ソフトコーラルの通称「お花畑」=8月、北谷町(町教育委員会提供)
ソフトコーラルを専門的に食べる貝ウミウサギ。9センチほどの大きさで、体は黒いが殻は純白で光沢がある(北谷町教育委員会提供)